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1980~90年代に一世を風靡した土佐っ子ラーメンをご存じでしょうか。
環状七号線沿いにラーメン屋が立ち並び、人々が行列を成している光景は、ラーメン人気を格段に向上させた一大ムーブメントでした。
その人気を牽引していたのが「土佐っ子ラーメン」です。
背脂を豪快に振りかけるそのスタイルは「背脂チャッチャ系」と呼ばれ一世を風靡したのです。
しかし90年代後半には経営者が変わるなどのゴタゴタもあり人気が低迷し、1998年に一度閉店しています。
しかしその後当時の店員などがそれぞれ店舗を持つなどし「土佐っ子ラーメン」も復活。
こちらの店舗も当時の味を引き継いでおり、池袋に定着したラーメン屋となりました。
そんな歴史深い土佐っ子ラーメンを体験するために池袋へやってきました。

店舗の外観もなんとなく平成初期を思い起こさせる味わいのある雰囲気です。
この雰囲気に引き寄せられてしまいますね。
注目したのは夕方5時までやっているランチタイムメニューからお得な「マル得Aセット」。

土佐っ子ラーメンと半チャーハンのセットメニューです。
背脂がこれでもかと入った土佐っ子ラーメンと半チャーハン。
これで値段が850円ですからコスパが良いですね。
チャーハンはしっとり感があり、卵と細切れのチャーシューが入ったシンプルなもの。

特徴的な部分はありませんが、素朴で昔ながらのチャーハンでした。
続いては土佐っ子ラーメン。
見た目のインパクトと裏腹に、スープのパンチは弱めで「あれっ?」と拍子抜けしてしまいました。
背脂にもガツンと来る味わいがなく、オブラートに包まれたようなフワッとした薄さが強く刻まれました。

スープの味付け自体が薄いのか、醤油もあまり感じられません。
ゆで卵は中までしっかり茹でられた昔ながらのタイプ。
半熟もいいですが、こちらも美味しいんですよね~
麺は中細麺で少し柔らかめの仕上がり。

ムチっとした食感で悪くはないのですが、やはりスープが薄いため麺との絡みが良くありません。
チャーシューは分厚い一枚肉。

中心は食感がしっかりしていますが、外側は脂身もある柔らかいチャーシューでした。
やはり印象に残ったのはスープのパンチ不足。
近年のこってりラーメンに食べ慣れてしまったからか、どうしても薄味に感じてしまいます。
平背脂チャッチャ系で走り出した土佐っ子ラーメンは元々このような味だったのか、それともこの日は味が下振れしていたのかはわかりません。
少し物足りなさを感じてしまいましたが、平成初期の環七ラーメン戦争を牽引していた土佐っ子ラーメンの実力はこんなものではないでしょう。
・住所
東京都豊島区西池袋1-39-4 佐久間ビル1階
・アクセス
池袋駅西口から徒歩5分